先祖代々のお墓の墓じまいで遺骨を確認したところ、墓碑と遺骨(骨壷)の数が合わないということがあります。墓じまいでどうして?遺骨がない?と思われる方もいらっしゃると思いますが、実は先祖代々の墓じまいでは事例も多いそうです。
その理由は、戦前は土葬が主流だったことが挙げられます。
今は、亡くなられた故人の遺体は火葬場で火葬され骨壷に収めます。明治時代の伝染病予防法により火葬が義務付けられましたが火葬場が普及していくのはその後で、戦前は土葬がまだまだ主流で墓地に穴を開けて直接埋葬しその上に墓石を建てていました。地域によって違いはありますが戦後でも土葬が主流のところもありました。何代も続く名家ではお墓の墓
碑に何十名も先祖の名前が刻まれているといのも珍しくないものです。「土葬だから50年以上たっているともう土に還っているよ」と思われる方も多いと思いますが、その土質にもよりますが、想像よりも遺骨は自然に還るスピードは遅く、100年経っても形は少し変化しますがまだまだ残っているそうです。
また先祖代々のお墓の墓碑に天保○年とか安政○年など江戸時代の年号が記載されていて当時は土葬なのにその方の名前の書かれた骨壷がある場合は、戦後に改葬されていることが考えられます。
様々な事情や理由で墓じまいが行われますが、その中には墓じまいで遺骨なし(骨壷がない)という方も実際にいらっしゃいます。詳細はわかりませんが、一番最後に亡くなられた方は戦前で土葬のためお墓の下を掘ってみたが見つからなかったとか骨壷がないケース、戦後何らかの事情(自然災害など)でお墓を改葬し遺骨が見つからなかったのでその墓の土を新しいお墓の下に撒いたなどが考えられます。墓じまいによる改葬の場合は必ず改葬許可証が必要ですが、遺骨なしの場合は改葬許可証は必要ないので、そういったことも関係するのかもしれませんね。
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